どうも、ヨシヒコです。
ジミー大西さんといえば、僕ら世代で知らない人はいないくらい頻繁にメディアに登場していた時期があります。
多分、20代以下の年代はわからないかな?
最近メディアでは見なくなったジミー大西さんが、実は有名な画家になっているなんて、全然知りませんでした。
吉本興業の取締役会長をされていた中邨秀雄(ナカムラ ヒデオ)さんの話なんですが、ジミー大西さんに付いていた女子マネージャーの方が
「ジミーにスイートルームに泊まったホテル代として300万円を貸してやってください。」
と、中邨秀雄さんところへ来たのが始まりです。
1泊30万円の部屋に1週間泊まり続け、食べ物はすべてルームサービス。
「死に金」と思いつつも、会社の恥にならないようにと中邨さんは300万円を渡しました。
その後、ジミー大西さんとマネージャーが、お礼を言うために中邨さんのもとを訪れます。
「なんでこんなバカなことしたんや」と中邨さんが怒るのも当然です。
ジミーさんは下を向いて黙っていたようです。
そこでマネージャーが答えます。
「ジミーは、これも芸の肥やしやと思って泊まったらしいです。」
中邨さんは、「芸の肥やし」は企業でいう「研究開発費」みたいなものなので、実に上手な言い訳をするなと感心しました。
その後、渋谷の画廊でジミーさんの個展をやることになりました。
中邨さんは、お客が誰も来ないだろうと思っていましたが、個展の初日に画家の横尾忠則さんがテレビで
「この絵を描いた奴は第二の山下清になるかも」
なんて発言したので大勢の方が来場することになりました。
個展の場合は通常だと「売却済み」とかの札を貼って、個展が終了した後に絵を持っていくのですが、ジミーさんはお金がないということで、片っ端から作品を渡してお金にしていきました。
当初10日間の予定だった個展は1週間ですべて完売してしまい、強制的に終了してしまいます。
中邨さんはジミーさんに
「あの絵のモチーフや色使い、どこで考えたんや?」
と聞くと、ジミーさんは黙ったまま。
「あの時のホテルのスイートルームで考えてたらしいです。」
と答えたのがマネージャーです。
「うまく結びつけたもんやな」
と感心されたようです。
中邨さんは、ジミーさんを育てたのは、このマネージャーさんだったと言っています。
その後もマネージャーから
「ジミーがタレントを辞めて絵の勉強をしにアメリカに行きたいそうです。」
と相談を受ける中邨さん。
返した言葉は
「本人が行きたいのならすぐに行かせたらええ。」
その後6ヶ月間はタレントの仕事が残っていたので、それが片付いてからアメリカへ渡ります。
その間にメディアで取り上げられる機会が多くなり、絵の注文がわんさか来て4000万円のギャラが入りました。
アメリカの後はスペイン、そしてバルセロナではピカソの孫と知り合いになって個展まで開きました。
これに朝日新聞が目をつけて、全国で絵画展を開きます。
20数万人が会場に足を運んでくれて立派な画集も飛ぶように売れ、ジミー大西さんは立派な絵描きになっていきました。
のちに中邨さんがこう言っています。
わたしが何を言いたいかというと「お金」です。
勝手にホテルのスイートルームに泊まり、
「死に金」と思って出した300万円で彼の才能は見出された。そしてそれが後になって、「生きたお金」として
何倍にもなって手元に返ってきたのです。
と。
人それぞれ考え方はあると思いますが、千円、二千円程度で買える書籍への投資は簡単にできます。
知識と教養を高めるためにはとても安い投資です。
それすらも惜しむ人はいますけどね。
塾や学校へいくにも、資格取得にも、それなりのお金がかかります。
なぜ学校へ行かせるのに莫大なお金を保護者は出すんだろう?
大学や専門学校にどれだけの授業料を納めているのだろう?
子供が将来いいところに勤められるようにとか、学歴社会を考えて周囲からひけをとらないようにとか、それぞれ考えはあるかもしれないけど、大人になった瞬間に学びを辞めてしまう大人が多い気がします。
子供のために投資するのに自分に投資をしない。
子供に「勉強しなさい!」と言いながら、塾にかよわせたり、習い事させたり、それで文句ばかり言ってる保護者を見てると・・・
子供たちの見本になるためにも、大人こそ学びの継続が大切ですね。